最後の夜はあまり遠出はせず、ホテルの近くの賑やかな町に繰り出し、しばらく町をウロウロしたあと、一軒のバルに入った。そういえばスペインに行ったら、絶対に飲んでみようと思っていたリオハワインをまだ飲んでいなかったのだ。それを最後の夜の思い出にしようと思ったのだ。
リオハワインとは、スペインの有名なワインの銘柄である。リオハとはスペインの北東部の地方名らしい。スペインのワインの中で、このリオハワインはとても評判のいい上質のものらしいのだ。スペインに行く前にこのことを知り、スペインのバルでぜひ味わってこようと思っていたのだ。
私は、食べたり飲んだりすることは大好きだが、いわゆる本物のグルメではないので、微妙な味の違いとかがわかるわけではない。ましてやワインなんて、よくわからず飲んでいると言ってもいいだろう。
でも、この時バルで飲んだリオハの赤ワインは、スペイン最後の夜、いやそれだけでなく、18日間ポルトガル・モロッコ・スペインと旅してきた最後の夜という感傷があったためか、とてもおいしく贅沢なものに感じた。まさに最後の夜にふさわしいものであった。
リオハワインは日本でも手に入るワインだ。おいしい割には手ごろな値段からあるので、ワインが好きな人にはぜひ味わってもらいたい一品である。こうして私の今回の旅行の最後の夜は終わろうとしていた。もっとリオハワインを飲みたい気分であったけど、時間もだいぶ遅くなっていたし、美しく一杯で引き上げることにした。
ホテルに帰りながら、長いと思っていた今回の旅行もこれで終わりかと思うと、本当に寂しく切なく感じた。旅行の終りにはいつも寂しさを感じるものだが、今回は特に寂しくてしょうがなかった。自分でもよくわからないくらい・・・。
マドリードでは怖い目にもあったし、噂通りたしかに油断もすきもないような危険な雰囲気にも満ちていた。ポルトガルのリスボンや南のほうの小さな田舎町、アンダルシアの美しい町とは違って、のんきに歩けるような町ではなかったかもしれない。
でも、マドリードは私を強烈に惹きつける何かがあった。それは音楽や活気にあふれた町の雰囲気かもしれないし、おいしい料理かもしれないし、フラメンコのなんともいえない情熱的な迫力かもしれない。とにかく、マドリードも私にとってまたいつか戻って来たい町の一つとなったのであった。
振り返ると、ポルトガルのリスボンから始まり、モロッコ、スペインとたくさんの町を歩いてきた。どの町もそれぞれ特徴があり、それぞれ近い国なのに驚くほど性格や雰囲気が違ったりしたのを肌身に感じてきた。
特にポルトガルとスペインは、隣国なのにまるで性格の違う何かがあるような気がした。スペインに来たら、ポルトガルにいたのがはるか過去のような気がしてしまうほどであった。
そんなまったく性質の違う2カ国だったけど、不思議なことにどちらもその時の私にはぴったりと合っていたように思うのだ。どちらかに合えば、どちらかは合わないような気がするけど、その時の私にはどちらもしっくりと来て、同じくらい居心地が良かったのである。
人は色々な面を持っているとよく言われるが、性質のまったく違うと思う二つの国をどちらも居心地良く思ったのは、そのせいなのだろうか。とにかく、今回訪れたたくさんの町のことを思い出しながら、どの町にもまたいつの日か来られる日が来ますようにと、心の底から願うのであった。
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