たび猫の南欧・モロッコ旅行記

南欧・モロッコ旅行記１６日目

南欧・モロッコ旅行記１６日目：魅惑的なスペイン料理♪

　その美術館は、“ソフィア王妃芸術センター”である。ここには、あの有名なピカソの“ゲルニカ”が展示されているのである。私はどうしてもこの絵が見たかったのだ。私は本当ならピカソの絵みたいな現代絵画の絵の価値は、訳がわからなくてよく理解できないのだが、戦争に対する怒りを込めたこのゲルニカの絵だけは、生で自分の目で見てみたいと思ったのだ。

　私がスペインを訪れる何年か前に、私の従兄弟もスペインを訪れ、この“ゲルニカ”の絵を見てきたと言う。彼曰く、やはりこの“ゲルニカ”の絵は迫力があり、とても印象に残ったと言っていた。だから、スペインまで来たので、どうしても見て帰りたい絵の一つだった。

　ソフィア王妃芸術センターは、プラド美術館からは中々近いところにあった。プラド美術館の前のとてもきれいな大通りをまっすぐ、地下鉄のアトーチャ駅に向かって歩いていくと美術館に着いた。

　この大通りは、さすが有名なプラド美術館のところを走っているだけあって、緑が多く、雰囲気が良かった印象が残っている。その途中におしゃれなレストランがあり、もう明日は日本に帰ることもあり、奮発してそこで昼食をとることにした（奮発したと言っても、それほど高級なレストランだったわけではないが^^;貧乏学生の私たちにとっては高そうなお店に感じただけ）。

　ここでスペイン料理をあれこれ頼んでみた。なんていう料理だか忘れてしまったが、スペインでは名物だという豚肉料理も食べた。高級そうな店構えだった割には、値段も思ったよりも安く、大満足の昼食であった。

　とにかく、スペインは食事がおいしいことは間違いないだろう。日本でもスペイン料理を食べられるお店は多いが、それだけスペイン料理は日本人にとって魅力的なものが多いのかもしれない。私はスペインに行く前から、スペイン料理をとても楽しみにしていたのだ。

　沢木耕太郎さんの本『深夜特急』で、まずバルに憧れたこともある。スペインの町角のバルで、おいしいおつまみをつまみながら、ワインを飲む。そんなことをぜひやってみたかった。あとはテレビでもスペインのバルやレストランを紹介している番組を見たことがあり、おいしそうな料理の数々にいつか私もスペインに行って、おいしいものを食べたおしたいと思ったものだ。

　ガイドブックにもスペイン料理の紹介のところで、スペイン人は食いしん坊で大食漢で、そしてグルメだと書いてあった。嘘か本当かわからないが、なんでも１日に合計５回も食事やおやつを食べるのだと言う、なんとも羨ましい食生活なのだ。

　私も食べるのが大好きなのだが、さすがに１日５回も食べることはない。というか、やる気になればできるのだが、そんなことをしたら、デブで生活習慣病の道まっしぐらなのは目に見えているからできないのである。

　私はどちらかというと太りやすい体質なので、食べた分だけ即脂肪となり、見た目に反映する。でも若い日本人は細くて華奢な人が多いので、ちょっとでもぽっちゃりしているとすぐに太っていると思われがちだ。だからみんな必要以上に体型を気にしていると言っていいだろう。さすがの私もやはり体型が気になる。

　でも、そんなことはまったく気にしていないだろうと思われるスペイン人の食生活を私は本当に心の底から羨ましいと思った。何もこれはスペインだけではないかもしれない。イタリアとかもそうかもしれない。イタリアに行った時、日本ではほとんど感じたことのない、「私の体ってもしかしたら華奢かもしれない」という感想を持ったから^^;

　私がどれだけ食べることを楽しみにしているかと言うと、私は朝ご飯を食べながらももう既にお昼ご飯は何を食べようかということを考えてしまうという、たくましい癖がある。一緒に朝食を食べている夫に、「ねえ、お昼は何食べたい？」と聞いて、「今、朝ご飯を食べているのに、お昼のことを考えるなんて信じられない」と驚かれるのだ。

　私にとってはいたって普通のことなのだが、食が細い人には考えられないことらしい。でも、スペインのガイドブックには、スペイン人の食欲のすごさをあらわすエピソードとして、“スペイン人は、朝食をとりながらもう、昼食のことを考えるし、夫が出勤すれば、すぐ主婦は市場へ買出しに出かける。そして昼食の買い物の最中に軽食っぽい間食が割り込む”と書いてあった。

　なんと、私はスペイン人の食生活にピッタリなことが判明したのだ！どうやら私は生まれてくるところを間違えたらしい。次に生まれてくる時には、できればこういうお国柄のところに生まれてきたいものだと思った。

スポンサードリンク

前に戻る：プラド美術館

次へ進む：ソフィア王妃芸術センター