要塞の次は、要塞があるサグレスの岬とは別に、もう1つ大西洋に突き出した格好になっている“サン・ヴィセンテ岬”というのがあり、そちらの岬にも歩いていってみることにした。この岬こそ、ユーラシア大陸の最西南端にあたるらしいのだ。
要塞のあるサグレスの岬からサン・ヴィセンテ岬が海をはさんで向こうに見え、それほど遠くないように感じた。サグレスの岬からは約6kmだという。歩けない距離ではない。サグレスの青くて美しい景色に機嫌が良くなった私たちは、意気揚揚と歩き出したのであった。
しかし、歩き出してみて思った。サグレスの岬からサン・ヴィセンテ岬は、海をはさんですぐ近くに見えたが、やはり私たちの距離感は間違っていたのだと。歩けど歩けどまったくたどり着かなかったのである。
岬であるので、海の風が爽やかであったものの、真夏の炎天下なのでとても暑い。特にこのあたりは、太陽の光をさえぎるよな植物とかはほとんどなかったような気がする。周りにほとんどなにもない平坦な道を、延々と歩くしかなかったのだ。
途中で「これはもう無理なのではないか」と思ってももう遅い。サグレスの岬へ引き返すのも、このままサン・ヴィセンテ岬まで進むのもどちらにしても相当な距離があるからだ。
現在は、どうやらラーゴスの町からサン・ヴィセンテ岬までバスが出ているらしい(1日3便くらいだが)。しかし、サグレスとサン・ヴィセンテの間は、レンタサイクルかタクシーを利用するしかない。歩き出したらもう、歩きとおすしかないのだ。歩くのが苦手な人は、バスやレンタサイクルを使うほうがいいだろう。特に夏は徒歩ではかなりきつい。
半分泣きたい気持ちで歩きとおし、やっとサン・ヴィセンテ岬にたどり着いたときは、本当に嬉しかった。この岬の端っこに倒れこむように座り、海を見ながら飲んだ冷たいコーラがどれほどおいしかったことか・・・。生き返るとはこのことだと思った。
サグレスからサン・ヴィセンテ岬まで、真夏の太陽の中すべて歩くのはかなりきつかったけど、サン・ヴィセンテ岬の真青な海に囲まれたすがすがしい景色を見て、その疲れも吹っ飛んだ。心があらわれるような空の青さと海の青さであり、しばし岬の端っこに座り、景色を眺めるのであった。
帰りもサグレスまで戻らなければならないので、しばらく体を休めた後また同じ道を覚悟して歩き出した。
帰り道は、覚悟ができていたためそれほど辛くは感じなかったが、新たな問題が発生していた。途中でトイレに行きたくなってしまったのである!!しかし何もない荒涼としたところである。トイレどころかレストランみたいなものも見当たらなかった。さえぎるようなものもないので、もちろんその辺で用を足すわけにもいかない(一応女なので)。
最後のほうは、かなり冷や汗ものでサグレスの岬まで戻り、疲れを感じるどころではなかったのであった。サグレス〜サン・ヴィセンテ岬を歩くときは、必ず前もってトイレに行っておいたほうがいい。私の経験である。
トイレに行きたい一心で、思ったよりも早くサグレスに戻ってくることができた。サグレスでトイレに駆け込んで用を足した途端、疲れがどっと出てきた。そりゃそうだ。真夏の炎天下、かなりの距離を歩いたのだ。しかも帰りはかなり早足で・・・。
バスの時間まで少しあったので、あのおばあちゃんのカフェで遅い昼食をとることにした。ハンバーガーとビールを頼んだ。なぜかサグレスなのに、ビールはサグレスビールではなかったので残念だったが、来たかったサグレスにいるのだからビールなんて何でもいいのかもしれない。それにおばあちゃんのハンバーガーは、本当においしく、大満足であった。
こうして念願のサグレスでは、かなりの距離を歩き、体もくたくたに疲れ果て、そして青い空と青い海を十分満喫することができた。日本からはるか遠いポルトガルの端っこまで来たという気分も十分味わえた。沢木さんのように、サグレスのホテルに泊まってもっと海の景色を満喫したかったが、これだけでも十分満足できた。こうして私たちは夕方のバスに乗って、ラーゴスの町に帰っていった。
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