するとなんてことか、王宮の入り口に行ったら、私のチケットでは今の時間入れないことが判明!!よーく見たらどうやら私のチケットは、13時30分〜14時の間しか入れないという旨が書いてあったのだ。こんなこと知らなかった・・・。
よくよく注意してみたら、ガイドブックにもそのことが書かれていた。何でも夏の間は見学者が多くなるので、入場者数を制限するため、昼頃訪れたらチケットが完売していることも多く、しかも王宮の入場は切符の右上に何時から何時までに王宮に入らなければならないか示しているので、要注意とのことだ。要するにこの時間に入らないと、チケットが無効になってしまうというのだ!!
こんなことも知らずに、何も考えずアルハンブラ宮殿へ来てしまった。朝早く来たのでアルハンブラ宮殿自体に入場できたのはいいものの、私のチケットでは王宮は午後まで待たなければ入ることができない。でも私は今日の午後マドリードへ行くため、それは絶対に不可能なことだったのだ・・・。
かなり落ち込む私。だってアルハンブラ宮殿の目玉は、この王宮に集まっているといってもいいのではないかと思っていたからだ。
これで引き下がってなるものかと思った私は、再度入り口にいる係員に、丁寧に同情を誘うように、私は日本からはるばる来ていて、今日の午後マドリードに行かなくてはならない、だからその前にどうしても王宮を見たい旨を英語で懇々と伝え、入場させてもらえないか頼んでみた。
しかし、かえってきた答えは「ペルドン、ノー・イングリース(ごめんなさい、英語わかりません)」という答えであった。英語がわからないのでは仕方ない。私もスペイン語わからないので、これ以上の交渉は無理。本当に残念だけどあきらめるしかなかった。あー、なんて馬鹿な私。こんな基礎的なことも知らず、アルハンブラ宮殿に来たなんて。
2006年の今現在は、一体どうなっているのかわからないが、混んでいる時期はきっと同じ様なもんだろう。これから行く人は、十分下調べをしてから行ってください。私の苦い経験からのアドバイスです^^;
私と係員のやり取りを、たまたま近くにいた日本人の男の子が見ていたらしい。私をかわいそうに思ったらしく、何と午前中に入れるチケットを持っているので自分のチケットと交換してくれると申し出てくれた。
涙が出るほど嬉しかったが、それでは彼が午後まで何時間も待たなければならない。あまりにも申し訳なさ過ぎる。きっとこれは神様がまたスペインのグラナダへ来なさいと言っているのだと思うことにし、今回は涙をのんであきらめることにした。
アルハンブラ宮殿まで行き、王宮を見ずに帰る人なんているのだろうか、なんて自分を嘲りながら王宮の入り口からとぼとぼ引き下がった。王宮に入れなかったため、時間がかなり余ってしまった。そのため、アルハンブラ宮殿の美しい庭園をゆっくり見ながらアルハンブラ宮殿の中にある“ヘネラリフェ”という王の夏期の別荘へ行ってみることにした。
王宮には入れなかったが、ここへ通じる庭もとてもきれいで、ちょっとした小さな塔や手入れの行き届いた花壇などがあり、暑くて乾いた夏のアンダルシア地方とは思えないような景色に本当に心が慰められた。
“ヘネラリフェ”自体もとても美しかった。さすが王の夏期の別荘というだけあって、きれいな花々や緑、それに小さな噴水のような水が出ている細長い水路は、とても涼しく、暑いグラナダにおいてはかなり贅沢な造りだと驚くほどのものだった。
これだけ涼しい造りになっていれば、冷房のない昔でも、十分快適だったと思われる。さすがである。ここでゆっくり景色を眺め、自分なりに遠い昔に思いを寄せてみたりした。
これだけ贅沢な造りの別荘で、快適な暮らしを送っても、為政者には心満たされない思いがあったり、退屈することもあったのではないのか、なんて考えたりもしたのだ。なぜだかこの贅沢さを見て、ふとそんなことを感じたのであった。
やっぱり私は、たまにこういう贅沢な宮殿に来て、好きなだけのんびり景色を見たり散歩を自由にしたりできるから楽しいのであって、ずっとここで生活しろって言われたらきっと退屈だろうなーって思ったのだ。だって、この宮殿もいいけど、やっぱりグラナダの日常の活気に溢れた町を歩くのも刺激的で楽しいのだ^^
そう思うと、贅沢さなんかよりも何よりも、人間(特に私のような人間は)は自由があるということのほうが素晴らしいことなのかもしれないって思った。旅行はまさにその自由を満喫できる時間なのかもしれない。
こんな物思いにふけっているうちに、もう帰らなければならない時間となってしまった。お名残惜しいけど、次にまたグラナダを訪れる時までアルハンブラ宮殿とはさようならだ。今回は王宮に入れなかったけど、次は絶対に王宮の素晴らしさを堪能しようと心に誓った。
帰りもまたバスで帰ろうと思ったら、バスがなかなか来ない。小銭もあまり持っていなかったことだし、帰りはぶらぶら歩いて帰ることにした。アルハンブラ宮殿は小高い丘の上にあるので、行きは大変だけど、帰りは下るので好都合だ。
アルハンブラ宮殿のある森のような丘の坂道を下っていった。来る時はバスだったのであまりまわりの景色を見られなかったが、帰りは歩いたため、森の景色も楽しむことができた。
ホテルに帰ったのはお昼頃だった。チェックアウトし、マドリードへ向かうためいざバスターミナルへ!バスターミナルへ早く着いたので、久しぶりに日本の実家に電話をかけてみた。家族はみんな元気そう^^やはり海外まで来ると、日本が妙に遠く感じて、家のことや家族のことがいつも気になってしまう。私がいない間大丈夫だろうか・・・。たいがい大丈夫なものなのだが、ついつい考えてしまうのだ。とりあえずみんな元気なことがわかり、心が軽くなった。よし、これでまた旅行を楽しむことができると。
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