さてさて、グラナダの駅を出た私たちは、ホテル探しのため重い荷物を背負ったまま歩き出した。すると今回もまたすぐに客引きのおじさんに遭遇。ホテルのことだけでなく、バスのことなど色々親切に教えてくれて、なかなか人の良さそうなおじさんだったので、とりあえずついていくことにした。
おじさんが連れて行ってくれたホテルは、駅からも歩いてそれほど遠くなく、グラン・ビア・デ・コロンというなかなかの大通り沿いにあった。この通りの右側に、有名な広場や大学を中心とした下町が広がっているということなので、まずまずの立地だろう。その下町のほうに安宿がたくさんあるらしいが、Mちゃんが疲れきっていることもあり、おじさんの宿自体もきれいでなかなか良く(1泊一人2000ペセタ≒約1800円)、もうそこに決めることにした。これ以上安宿を求めて歩き回ったら、それこそMちゃんはキレていただろう。
それにしても、今日もとても良い天気だ。夏のアンダルシアは常にこういう乾いた熱い陽射しなのだろう。まだ時間も早かったので、今日はジーンズの洗濯をすることにした。というのも今回の宿にはバスタブがついていたので、バスタブがある時に面倒なジーンズを洗っておこうと思ったのだ。
長期の個人旅行だと、洗濯は避けられない。なかなかこれが面倒だったりする。小さいものはいいけれど、大きいものは洗うだけでも大変だ。ジーンズは丈夫だし気兼ねなくはけるからいいのだけれど、夏の長期旅行には向いていない。もっと洗いやすい薄いズボンだけで十分だ(そういうのも持っていたが)。
洗濯を終え、さっぱりしたところで、元気な私が明日のマドリッド行きのバスのチケットを買いに、バスターミナルへ向かった。バスターミナルはグラナダの郊外にあるので、バスで行かなければならなかった。
バスですぐにバスターミナルへ行けたのだが、チケットを買うのが一苦労だった。なぜなら、スペインの人は英語が通じない(というかわかろうとしていない?)人が多くて、マドリードに行くチケットをくれ、というのを伝えるだけでも大変だったのだ。
ポルトガルではこんな苦労をしなかったので、やはりポルトガルとスペインでは隣国といえどもお国柄が違うのかもしれないと、この時思った。フランスには行ったことがないけれど、よくフランス人は英語をわかっていてもフランス語しか使わないというが、スペイン人も同じ様な感じなのだろうか。自国の言葉や文化に対する自信から、英語で通そうとする外国人に強気に出たのかもしれないと、ちょっとだけ感じた。
まあ、とにかく最後は無事にチケットを買えたから良かった。やはり今回の旅で色々な国の人に出会って、ヨーロッパを旅するなら英語だけでなくスペイン語やフランス語がしゃべれたほうがいい、って言われた意味が痛いほどよくわかる。もともとスペイン語には興味があったし、日本に帰ったらスペイン語を勉強してみるのも楽しいかも、と思った(いまだに実現していないが^^;)。
明日のマドリッド行きのバスのチケットを無事に入手し、ホテルの近くまで戻ってきてMちゃんとゆっくりお茶をすることにした。カフェに入ってゆっくりコーヒーを飲もうとしたら、なぜだかMちゃんのコーヒーだけ出てこない。
こういうことは日常生活でもよくあることだと思う。自分の機嫌が悪かったり落ち込んでいたり、イライラしたりしていると、泣きっ面に蜂とばかりに、お店の店員につっけんどんな態度を取られ嫌な思いをしたり、自分だけオーダーしたものが出てこなかったりと・・・。悪い波動を出していると、さらに悪い出来事を引き寄せる・・・。まさにこの時のMちゃんがそうであった。
ここでMちゃんの怒りが爆発!!今までたまっていたものがすべて噴出したという感じ^^;私が悪いわけではないが、どうすることもできず、お互いブルーな気分になってしまった。
やはり長期の旅行を友達と一緒にするのって難しいと思った瞬間であった。よほど価値観の合う人、気心知れた人でないと、こういう長期の個人旅行はするべきではないのかもしれない。お互い疲れるからね・・・。今回はある意味、旅のパートナーについて学べるいい機会になったかもしれない。
その後気を取り直し、二人で繁華街のほうへ繰り出し、一緒に町を散策した。二人とも嫌な気分を味わったあとだったが、グラナダの町はやはり美しい町であった。なかなか私好みの町である。それに、グラナダといえばアルハンブラ宮殿が有名だが、だんだん夜になりライトアップされた夜のアルハンブラ宮殿も美しい。こうして二人とも美しいグラナダの町を見て、気分をよくしようとするのであった。
それに夕食は、スペインに来てからまだ一度も食べていないパエリアを食べにいくことにした。アルハンブラ宮殿近くのお店に適当に入ってパエリアを頼んでみた。場所が場所なだけに、観光客目当てのところだったのか、それほどおいしいパエリアではなかった。いや、むしろ日本のスペイン料理やで食べるパエリアの方がよっぽどおいしかったというのが正直なところだろう。
自分たちの波動が悪いと、なかなかおいしいものにもありつけないものなのかもしれない。今日はこれで終わりにするが、明日からは気をつけようと思う私であった。
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