たび猫の南欧・モロッコ旅行記

南欧・モロッコ旅行記3日目

南欧・モロッコ旅行記3日目:ユーラシア大陸の西の果て、ロカ岬へ!

 景色を飽きずに眺めているうちに、あっという間にロカ岬へ着いた。ロカ岬へ到着する直前から、遠くのほうに海が見え、岬らしき地形が見えてきた。海のない田舎で育った私は、海が見えるとやはり興奮してしまう。海がないところで育ったものにとって、海とは憧れの場所なのである。

 私たちがロカ岬に行った日は、リスボンも朝から天気が悪かったが、ロカ岬もやはり天気が悪かった。昨日までの爽やかな夏空とはうってかわって、今日は小雨が舞っているような肌寒い日だ。特に大西洋に突き出す岬に来たせいか、風も強い。

 

 でも、晴れた日のロカ岬もさぞかしきれいだろうが、大西洋の西の果てに突き出している岬には、案外この天気も似合うような気がした。背丈の低い植物しか生えていない、なだらかな地形が広がっているが、岬は大西洋の海に断崖絶壁の形で突き出しているのだ。その荒々しさや大陸の端っこというイメージをこの天気が演出しているような気がした。

 

 ロカ岬に着き、バスを降りるとすぐ目の前にインフォメーション・オフィスがある。小さくてかわいい建物で、岬の景観に溶け込んでいるようだった。とりあえずインフォメーション・オフィスの中に入ってみたら、突然そこのオフィスの人に日本語で、「証明書をどうぞ^^」と言われ、驚いてしまった。

 ガイドブックにも書いてある“最西端到達証明書”というのを発行していると言いたかったのだ。日本語でこんなことをいきなりしゃべりかけるなんて、ポルトガルにもどれだけ日本人観光客がたくさんきているかがわかるような気がした。

 それにしても、ポルトガルなんて日本の中ではそれほどメジャーな観光地ではなさそうなのに(私の身近な人でポルトガルに行ったことがある人なんていない)、しかもリスボンではなくこんな田舎のロカ岬でさえこのように日本語で営業されるとは、日本人とは本当に世界のあちこちに足を伸ばしているもんだとあらためて驚かされた。

 証明書は、600ポルトガル・エスクード(約450円)と800ポルトガル・エスクード(約600円)の2種類があるらしい。どちらにも自分の名前と日付を独特の古い文字で書き込んでくれるのだ。値段が高いもののほうが、大きく豪華な感じ。別にこんなものを買う必要はなかったのだが、ついつい800エスクードの方を買ってしまったミーハーな私たちであった。

 

 ちなみにこの先、ポルトガルからスペイン、モロッコのあちこちをまわるのにこの証明書は邪魔になった。なぜなら、賞状のような紙でできていたので、できれば折りたたんだりせず、きれいなまま持ち帰りたかった。しかし、私はスーツケースなどではなくリュックで来ていたので、それもなかなか難しい。最初はどうにか工夫して折らずに持ち運んでいたのが、いつしかそれも面倒になり、リュックの中に小さく折りたたんで持ち運ぶことになり、日本に帰る頃にはくちゃくちゃになっていたのだった。

 さて、ロカ岬は夏だったが天気が悪かったせいか、ほとんど観光客の姿はなかった。小雨が降り風が吹くなか、ゆっくりと岬のあちこちを歩いて景色を楽しんだ。岬の端っこは切り立った断崖絶壁で、はるか下のほうには、大西洋の美しいが荒い波が打ちつけている。岬の端っこにはどこもフェンスなどがあるわけでもないので、端まで行くとその高さと険しさに足ががくがく震えるほどであった。

 でも、岬の美しさと大西洋の美しさは格別だった。天気が悪かったけど、かえってその天気のお陰でいかにも大陸の突端という雰囲気を醸し出していたので、はるばるユーラシア大陸の端まで来たという気分を思う存分味わえたように思う。

 ロカ岬の景色を十分楽しんだので、そろそろシントラに帰ろうと思い、インフォメーション・オフィスの前のバス停でバスを待つことにした。するとすぐにバスが来たので、立ってそのまま待っていたら、私たちが手を上げたりして乗る意志を見せなかったからか、信じられないことにバスは素通りしていったのだ!かなりショック・・・。

 しかもバスの時刻表を見ると、次のバスは1時間半後だ・・・。こちらではバス停でぼけーっと待っているだけではだめらしい、ということを学んだ。

 仕方なく、岬にあるカフェとみやげ物屋がくっついたような小さな建物の中で時間をつぶすことにした(2006年に再度ロカ岬を訪れた時、冬だったためか、それらしき建物はあったが営業はしていなかった)。

 そこの売店で絵葉書を買い、カフェでゆっくりと日本の家族や友達にはがきを書いた。窓の外を見ると、目の前に2羽の白い鳥がたたずんでいた。夫婦なのだろうか。微笑ましい光景であった。

 次のバスには無事に乗り込め、シントラへ帰ることができた。シントラに戻り、まずは駅のまん前にある中華料理のレストランでお昼を食べることにした。駅の前にあり、目立つ造りのレストランなので、思わず入ってしまった。実は2006年の時再訪した際にも、このレストランで食事をした。進歩のない私である^^;

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