バス停から数日前に滞在していたホテルへ直行。そこのお兄さんが私たちのことを覚えていてくれ、すぐにこの前と同じ部屋を用意してくれた。弱っている時に、このように知り合いのような対応をとってくれると、それだけでも安心するものだ。ここまでくると、バスの中のあの最悪な状態から、精神的にだいぶ元気になってくるような気がした。
そして部屋でしばらくの間体を休めた。とにかく体力を取り戻さないと。そして夕方になり少し体力が回復したところで、数日前に行った近くのレストランにいくことにした。お腹に優しそうなものを少しでも食べて、力をつけようと思ったのだ。
ここで私はハディーラというモロッコのスープを頼んだ。こういう時はスープに限る。モロッコのこのスープもとてもおいしく、お腹にもやさしかった。そして温かいスープを食べているうちにみるみる元気になってくるのがわかるのであった。
食べている最中に、あのタンジェの港で知り合いになったモハメッドさんがやってきた。どこからか私たちのことを聞きつけてきたのだろうか。いつも絶妙なタイミングであらわれるので笑ってしまう。
私はフェズでお腹をこわし、死ぬような思いでタンジェに戻ってきて、それだけでもホッとしたのに、ここでまた数日前に知り合ったモハメッドさんに会えて、さらにホッとする気がしたのだ。知り合ってまだたかが数日だったが、心細くなっているときに顔見知りに会うと本当に嬉しいものだとこの時感じた。それにおじさんのことはもう信用できるとわかっていたし。
こうしてお互い再会を喜び、私がお腹をこわして死ぬような思いでタンジェに戻ってきたことをモハメッドのおじさんに話した。すると彼は私を本当に心配してくれ、食後体に良いお茶を飲ませに連れて行ってくれるとまで言ってくれた。
食後モハメッドさんに連れられ、メディナの中にあるおじさんの行きつけのカフェに行った。メディナのごちゃごちゃした路地を通り抜け、観光客として日の浅い私たちだけだったら絶対に入らないような、地元のモロッコ人のおじさんたちでごった返している地元のカフェにおじさんは私たちを連れて行ってくれた。
お店の中の狭い階段をいくつも昇り、小さい建物の上の方まで昇っていった。小さい建物の上の方は良く言えばオープンエアな感じで、空気の通りの良い造りになっており、そこの席についた。
そこで初めて私たちはおじさんの勧めで、ミントティーというものを飲んでみた。ミントティーはモロッコではメジャーな飲み物らしく、これまでも地元の人たちが飲んでいるのをよく見かけた。
ガイドブックによると、“中国の緑茶にミンとの葉と砂糖の塊りを入れた甘くて香りのいいお茶”と書いてあるが、長細いグラスにミントの葉が本当にたっぷり入っており、そこに熱いお茶を注ぎ甘くして飲む、といった感じの飲み物だった。
私はお店の人に「砂糖は少なめに」と頼んだにもかかわらず、ミントティーはかなりの甘さだった。でもその甘さがちっとも嫌な感じではない。それまでは私はあまりハーブティーというものを好んで飲む習慣はなかったが、この時飲んだミントティーは本当においしく感じた。お茶のおいしさとミントの爽やかさ、それに砂糖の甘さが本当に体にしみこみ、ぼろぼろになった体を癒してくれるように感じたのだ。
これ以来私はミントティーが大好きになり、日本に帰って来ても家の庭に生えているミントの葉を紅茶に入れて飲むほどになったのだ。
モロッコの町角で、モロッコ人の男の人たちがみんなミントティーを飲んでいるのを見て最初は違和感を感じたが(日本だとハーブティーって女の人のスイートなイメージがある)、自分がこのミントティーを飲んでみて、「なるほど、モロッコの気候にはこのミントティーがぴったりあっているのかもしれない」と思った。
インドでは甘〜いミルクティ(チャイ)、トルコでは甘い紅茶。私はお茶は甘くないほうが好きなので、日本の日常ではこのような甘い飲み物はほとんど飲まないが、その場に行くとその飲み方が本当においしく感じる。やはり地元でメジャーに飲まれている飲み物は、そこの気候や特産物のおいしさを考え、最もおいしく飲める方法となっているのだろう。そう感じた。
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