たび猫の南欧・モロッコ旅行記

南欧・モロッコ旅行記9日目

南欧・モロッコ旅行記9日目:いよいよタンジェの町へ上陸!

 念願のアフリカ大陸への上陸ということで、かなり興奮して船を降りた。船を降りて港のインフォメーション・オフィスのところをウロウロしていると、地元のモロッコ人らしきおじさんに声をかけられた。おじさんは頼んでもいないのに私たちに英語で色々と話しかけ、親切にモロッコのことやタンジェのことを教えてくれるのだった。

 親切に教えてくれるのはいいのだが、なんとなくインチキくさい雰囲気のおじさんだった。それにスペインからアフリカ大陸にあるイスラム教圏の国に来たということで、用心深くもなっていた。ヨーロッパよりもやはり治安も悪いだろうし、観光客目当てのぼったくりの人も多いだろうと思っていたのだ。

 おじさんが親切に聞いてもいないことをあれこれと言ってくるのを軽くあしらい、さっさとタンジェの町へ行こうと思った。しかしこのおじさんはけっこうしつこく、私たちから離れる気配はない。ホテルも案内すると言ってきたのだが、ついてこられては困ると思い断るのだが、いっこうに離れる様子はない。

 私たちがおじさんにつきまとわれている間に、スペインから一緒だった日本人カップルたちとはいつのまにか離れてしまった。まあ別に一緒に行動しようと思っていたわけではないのでいいのだが、おじさんをうまく交わしてどこかに行ってしまったカップルを羨ましく思ったりもした。

 おじさんがあまりにも熱心に私たちにつきまとうので、これ以上突き放すのも無理だと思い、とりあえずおじさんの紹介するというホテルの部屋だけは見てみることにした。どうせタンジェの町に行ったって何の当てもないのだから、部屋だけ見てみよう。ひどい部屋だったらそこでこのおじさんにはっきり断って別れればいいのだから、そう思った。

 そして私たちはおじさんと3人連れ添い、港からタンジェの町へと入っていった。タンジェの町は旧市街メディナと、その南側に広がる新市街に分けられる。港のフェリーを降りたところから、坂を登っていくとそこに城壁に囲まれた旧市街がある。私たちはおじさんの後について坂道を登り、旧市街へと向かった。

 その坂道のあたりから、スペインとはまるで違うエキゾチックでなんともいえない活気にあふれた雰囲気が広がっているような気がした。晴れているとタンジェの町から対岸にスペインの陸地が見えるというほど、スペイン、あるいはヨーロッパとタンジェの町は近いのだが、やはりここは明らかにヨーロッパではなかった。町の雰囲気も違うし、宗教も違うし、人種も違う。北アフリカのイスラム教国家といった雰囲気が強く感じられるそんな町の雰囲気であった。

 坂道を登っている時に、道端に生のオレンジジュースをしぼって売っているお店があるのが目にとまった。とても喉が渇いていたので思わず立ち止まり、オレンジジュースを頼んだ。目の前でしぼってくれるオレンジジュースは、日本のものとはまったく違う、フレッシュで甘さもあるがとてもさわやかな今まで飲んだこともないようなおいしいジュースであった(しかも値段も信じられないくらい安い)。初めての国に来て、一番最初に口に入れたものがとてもおいしかったりしただけで、それだけで幸先が良いと思う私である。この時もそう思い、モロッコの旅に期待が持てた。

 さて、城壁の中の旧市街は期待通りの活気に溢れた、エキゾチックな町であった。狭い路地があちこち走り、英語やアラビア語の看板が溢れている。そこをアラブ系(というのだろうか?)というかイスラム教系というかそういう顔立ちの人たちがたくさん行き交っている。路地を日本ではあまり見かけなくなった元気な子どもたちが走り抜けている。

 日本にいるとイスラム教圏の国の雰囲気というのは、あまり馴染みのないものである。だからこそ私はそういう雰囲気をとてもエキゾチックに感じる。タンジェの町はそんな雰囲気であふれていて、とてもワクワクしてくるものだった。

 おじさんのホテルのことはまったく期待していなかったが、おじさんのあとについてホテルにいってみたら、これがびっくりするほどまともなホテルであった。まともというかどちらかというと私が今まで泊まっていたホテルにくらべれば、豪華といっても良いものだった(あくまでも私の基準で)。しかも1泊一人90ディラハム(約1,053円)でいいというのだ。おじさんの紹介ということで、多分安くしてくれたらしい。この部屋の内容でこの値段ならとても安いと思い、そこに決めてしまった。

 おじさんは私たちがホテルをそこに決めると、満足しどこかに消えてしまった。とても疑心暗鬼になっていて、おじさんをインチキなぼったくり野郎かと思っていたが、どうやらそれほど悪い人ではなかったらしい。おじさんのお陰で部屋探しがスムーズに終わり、しかも予想以上の部屋に泊まれることになったので大満足であった。おじさん、どうもありがとう^^

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