このペーナ宮殿は、以前に日本のテレビでも見たことがあったし、ガイドブックにも「魅力的な宮殿」と書いてあった。何でも、ドイツのあの有名なノイシュバンシュタイン城を造ったルートヴィヒ2世のいとこにあたるフェルディナンド2世が、ドイツから建築家を呼び寄せて造ったというのだ。
小さい頃からノイシュバンシュタイン城の美しさに憧れていた私は、「それならさぞかしきれいな宮殿だろう」と思い、とりあえずこの宮殿を見るべくここを目指したのだ。しかし宮殿があると思われる方向に向かって山を登りだしたのはいいが、ガイドブックに載っている地図は、とても大まかな地図であったため、すぐに道がわからなくなってしまった。
宮殿は山頂にあるので、とりあえず上に登ればいいと思い適当に登っていったが、中腹あたりで本当にわからなくなってしまい、しばらくウロウロとたたずんでしまった。山の中腹と言っても、このあたりには人がけっこう住んでいるらしく、ちょっとした集落みたいなところであった。
私たちがキョロキョロしていると、そこへ地元のおじいさんがフラ〜っとあらわれた。どうやらおじいさんは散歩中だったらしい。おしゃれなジャケットを着て、手にはステッキを持っており、ヨーロッパらしいダンディなおじいさんといった感じだった。
こんなところを歩いている日本人を珍しいと思ったのか、おじいさんはニコニコしながら私たちに話し掛けてきた。おじいさんはほとんど英語が話せず、私がガイドブックや旅の会話本で覚えたいくつかのポルトガル語を使って、どうにかコミュニケーションをはかろうとしたら、とても喜んでくれた。私も私のつけ刃のポルトガル語が通じて(本当に通じたのか?)とても嬉しくなってしまい、しばらくおじいさんと話をした。
一緒に写真も撮った。おじいさんはぜひその写真を送ってほしいと言っていたので、日本に帰って来てからそのおじいさんに写真を送った。あのおじいさんは今でも元気にシントラの町を散歩しているのだろうか。とてもかわいい、素敵なおじいさんだった。
その後おじいさんに道に迷っていることをどうにか伝え、ペーナ宮殿への行き方を聞いた。そしておじいさんと別れ、再びペーナ宮殿を目指して出発!おじいさんが教えてくれた道を不安になりながら歩き続けた。私がおじいさんの道案内を正しく理解できていたのか不安だったのである。
しかし、どうやら正しく理解できていたらしく、どうにかペーナ宮殿にたどり着くことができたのだった。感動のペーナ宮殿との対面であったが、私が思っていたペーナ宮殿とはちょっと違うものだった(「あれ??」って感じ)。
やはり有名な観光名所らしく、宮殿にはたくさんの観光客がいた。しかし、私から見るとその宮殿は、とても派手で、どちらかというと郊外にある派手なラブホテルみたいな感じの建築物だったのである(失礼なことを言ってごめんなさいっ!!)。
この宮殿は、イスラム、ゴシック、ルネッサンス、マヌエル様式など、色々な建築様式の寄せ集めらしいが、建築に詳しくない私には、そのような価値などわかるはずもない。ただ色とりどりの建物が寄せ集まっているという感じで、悪く言えばラブホテルだし、良く言えばディズニーランドとかのアミューズメントパークのお城といったイメージを持ったのであった(教養のない私の言っていることなので、お許しください)。
観光客でごった返していたのと、それほどこの建物に興味をもてない私は、ちょっと敷地の中をうろうろしただけで、早々に帰ることにした。
また、徒歩で山を下り、麓近くにある“王宮”にもちょっとだけ寄ってみた。王宮は、かつての王家の夏の離宮であったところだ。私たちは中には入らなかったが、色々見どころは多いらしい。入り口のところで、一人の女の子が笛を吹いていて、その音色と王宮の雰囲気がとても合っていて、それに感動したのであった。
その他にも、シントラの山には、“ムーアの城跡”というところもある。ここは8〜9世紀頃にムーア人によって築かれた城跡で、今は廃虚のようなところになっているらしい。この城跡も山の上にあるからか、城壁の塔から眺めるシントラの町と大西洋の景色が素晴らしいらしい。
私たちのように徒歩で、しかもすべてをまわるとなると時間がかかるので、全部をみたい人は、やはりバスで行った方がいいのかもしれない。でも、私たちのように建築物の見学を目的としていなければ、地元のおじいさんとの触れ合いとかきれいな山道の散歩を楽しめたので、徒歩で良かったと思う。
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