さて、私たちは明日はリスボンを発ち、南にある“ラゴス”という町に向かって出発する予定だ。だから今日はリスボン最後の日となる。そのため、今日はかなり精力的に(私にしては)リスボンの町を観光したが、本当の目玉はこれからだった。何しろ今夜はいよいよ“ファド”を聴きに行くのだ!
ファドとは、ポルトガルの民衆歌謡だが、もともとは場末の酒場やカフェで歌い継がれ、どちらかというと社会の底辺にいる人々が聴く音楽だったらしい。
ファドの心は、よく「サウダーデ」という言葉で表され、失ってしまった人・土地・時間などに対する郷愁を表すもので、懐かしさ・悲しさ・やるせなさが入り混じったポルトガル人にしか理解できない感情だということだ。せっかくポルトガルまで来たのだから、ポルトガルの心とでも言うべきファドをぜひとも本場で聞いてみたかったのだ。
クリスト・レイから戻り、部屋に一度荷物を置きに行き、今までの宿代を清算した。そして、ファドを聴かせるお店が多いという、“バイロ・アルト”に向かって歩き出した。
バイロ・アルトは、バイシャ地区の西側に広がる丘で、ファド・レストランやバーなど、それに老舗カフェやブランドショップなどが並ぶ高級ショッピング街でもあり、賑やかな繁華街となっているところだ。
バイシャ地区からは、えっちらおっちらと坂道を登っていかなければならない。坂道の多いリスボンは、そのために趣のある風景を作ってはいるが、登り坂が多いのはけっこうきつかった。
バイロ・アルト地区のファド・レストランが多い場所を、あらかじめインフォメーション・オフィスで聞いておいた。私たちが向かったのは夕方だったので、細い路地の多いところだったため、なんとなく妖しげな雰囲気で少々不安になってしまった。
いくつもあるファド・レストランの中から、感じの良いお兄さんがいるお店を見つけ、値段を聞いてみた。ドリンク付きのミニマム・チャージで2,750ポルトガル・エスクードだという。一人約2100円くらいだ。ガイドブックには、ミニマム・チャージでだいたい2,000〜3,500ポルトガル・エスクードと書いてあったので、これなら安い。お兄さんもいい人だったので、そこに決めた。
ファドのコンサートは9時20分からということなので、それまで近くのレストランで夕食をとってくることにして、予約だけ入れて出直すことにした。ちなみに、ファド・レストランで食事もとると、6,000〜7,000ポルトガル・エスクード(4,500〜5,300円くらい)かかるらしい。お金に余裕がある人はいいかもしれない。
ファド・レストランの近くをぶらぶらしていたら、地元のおじさんたちで賑わっているバルがあったので、そこに入ってみることにした。お店の中で、とても一生懸命働いているおじさんがいて、私たちにも色々と親切にしてくれた。
おじさんにスープを勧められたので、それを食べてみたら、なんだか私の実家のシチューの味に似ていて、ほっとするようなおいしさ。今思えば、あれはポルトガル料理の野菜スープだったと思う。その当時は、ポルトガル料理のことなんて何も知らなかったので、適当に目に付くものなどを食べていたのだ。
その他にも色々魚料理を頼んでみたが、どれもおいしかった。魚料理が豊富でおいしいということも知らなかったので、この時の旅行ではあまり食べなかったような気がする。もったいないことをしたと今になって思う。
食事と一緒にポルトガルビールを飲み、いい気分になってきたところで、そろそろファドを予約した時間となったので、ファドの店に移動した。
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