たび猫の南欧・モロッコ旅行記

南欧・モロッコ旅行記14日目

南欧・モロッコ旅行記14日目:アルハンブラ宮殿

 朝、気づいたらもう7時30分だったので、慌てて飛び起きて身支度をした。今日はマドリッドまで移動するのだが、その前にどうしてもアルハンブラ宮殿だけは見ておきたかったのだ。マドリッドへは午後向かう予定だったので、午前中アルハンブラ宮殿の見学をすることにしたのだ。

 私が起きて支度をしていると、Mちゃんも起きたので一緒に行くのかと思ったら、やっぱり疲れているのでホテルにいるとのこと。たしかに今日はマドリッドまで行かなくてはならないので、無理をしないほうがいいだろう。とのことで、今日も私一人で観光に出かけることになった。

 ガイドブックでアルハンブラ宮殿のところをみたら、入場は9時からとのこと。まだちょっと時間があったので、ホテルの近くのバルで朝食をとることにした。そこでバケットみたいな細長いパンをかりかりに焼いて、中にバターと蜂蜜がぬってあるものとコーヒーを頼んだ。

 そのパンが絶品のおいしさ^^こんがり焼いてあって香ばしいのに、蜂蜜とバターがしっとりとしていて、それがまた苦いコーヒーに合っているのだ。おいしくて、おいしくて朝からもりもり食べてしまった。パンはけっこうボリュームあるのに、コーヒーとあわせてたったの225ペセタ(約200円)なのだ。最高である。

 お腹も満足したので、再度アルハンブラ宮殿に向かって出発!ガイドブックに、「観光にはアルハンブラバスが便利」と書いてあったので、それに乗って向かうことにした。ヌエバ広場というところから赤いマイクロバスが出ているみたいだ。料金は120ペセタで1日券もあるらしい(325ペセタ)。これに乗って、9時ちょっと前にはアルハンブラ宮殿に着くことができた。

 アルハンブラ宮殿の入場料は、1000ペセタ(880円)であった。ガイドブックには750ペセタと書いてあったので、250ペセタも値上がりしていた。でも、値上がりしていようと何しようと、アルハンブラ宮殿だけは絶対に見てみたいところの一つだったので、ウキウキしながら入場した。

 なぜアルハンブラ宮殿には行きたかったのかというと、昔私の家に『アルハンブラ宮殿の想い出』という題名のCDがあったからだ。そのCDはおそらく父が買ったものだと思う。小さい頃はまだ、クラシック音楽とかにそれほど興味がなかったのだが、なぜかそのCDのことはよく覚えており、あのギターのポロロンとした悲しげな感じが妙に印象に残っていたのだ。

 その頃は、アルハンブラ宮殿というものがどこにあるのかわからなかったが、高校生の頃世界史を勉強し、そして始めてアルハンブラ宮殿のことを知った。そしてスペインの歴史も少し知ることができ、イスラム教との関係なども知ったのだ。

 そして、ギターの音色が好きだったこともあり、そのグラナダの歴史と合わせてアルハンブラ宮殿の持つエキゾチックで、でも何となく悲しげな感じのする雰囲気に強く惹かれ、いつか訪れてみたいところの一つとなっていった。

 アルハンブラ宮殿は、小高い丘の上のようなところにあった。周りを緑の森で囲まれており、清廉な雰囲気のところだ。それもそのはず、なんでも夏場とても暑いグラナダにおいて、その中で一番涼しいところにアルハンブラ宮殿は位置しているということだ。

 アルハンブラ宮殿は、異なる時代に建てられた建築物の複合体であり、だから建てられた時代により建築様式が違うらしい。9世紀末には存在していた砦が原型となっている。そしてアルハンブラ宮殿が大きく発展したのは、イベリア半島最後のイスラム王国であるナスル朝(1200年代〜1400年代)の時代に入ってからとのこと。この王朝はグラナダを首都としていたので、グラナダにこれほど豪華な宮殿があるのもなるほどと頷ける。

 アルハンブラ宮殿は元々はイスラム教徒が建てた宮殿なのだろうが、その後スペインがキリスト教徒の手によって陥落すると、今度はアルハンブラ宮殿の中のモスクが教会へ変えられ、礼拝堂や修道院が建築されていくなど、さらに複合的な建築物へとなっていったのだろう。

 こんな歴史を持っているからだろうか。『アルハンブラ宮殿の想い出』が、もの悲しいメロディーに聞こえるのは。

 門を入って、私はまず一番奥の“アルカサバ”というところに行ってみた。ここは、城塞都市の最も重要な要塞として、9世紀〜13世紀にかけて建設されたところだという。

 ここの奥のほうに、“ベラの塔”というところがある。この塔からの眺望は圧巻というので、行ってみた。すると本当に、この塔からはグラナダの町並みやアルハンブラ宮殿のすぐ近くにあるアルバイシン地区(イスラム教統治下時代に城塞として発展した地域)の町並み、それにサクラモンテ(ジプシーの住む丘)が見渡すことができ、とても素晴らしいものだった。

 

 暑い夏の季節に行ったのだが、これだけ眺望がいいところで町並みを見渡すと、とてもすがすがしい気分になる。満足して次のところに移った。

 次に“カルロス5世宮殿”に行ってみた。ここはスペイン・ルネッサンスを代表する建物であるらしい。だからイスラム建築の多い宮殿の建築物の中では、異質の建築物ということになる。円形の回廊にずらーっと柱が規則正しく並んでいて、それはそれでとても美しい建物であった。ここには日本人のツアーの団体さんたちがいた。

 ここまで来る間の宮殿の庭もとても美しくて贅沢なものだった。緑や花々が多く、よく手入れがされており、アルハンブラ宮殿の贅沢さがうかがえる。実際、この庭の風景を見て、長年憧れていたアルハンブラ宮殿に来られた感慨がふつふつと湧いてきて、幸せを感じた私であった。

 さてさて、次にいよいよメインの“王宮”に行ってみることにした。こここそ、アルハンブラ宮殿の中で一番有名なところであり、幻想的なアラブの息づかいを感じられるところだという。建物も装飾も庭も見どころたくさんなのだ。ここに行けば、スペインにおけるイスラム教の影響というのを身をもって体験できるだろうと、わくわくしながら向かった。

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