たび猫の南欧・モロッコ旅行記

南欧・モロッコ旅行記10日目

南欧・モロッコ旅行記10日目:やっとフェズへ到着!

 楽しい出会いがあったもののフェズまではけっこう遠く、バスは結局7時間以上かかってフェズの町へ到着した。まあ、アフリカ大陸の内部へ少しでも入っていけると思うと、ワクワクして窓の外の景色も目新しく飽きることはなかったのだが。

 着いたらすぐに今日の宿探しだ。荷物を早く起きたかったのですぐにホテルを探すために歩き出したが、タンジェよりもものすごい暑さですぐにフラフラしてきた。港町のタンジェよりも内陸部に入ったので、より砂漠に近い気候になったためだろうか、照りつけるようなものすごい暑さなのだ。これは気合を入れて歩かないと、本当にまいってしまうかもしれない。気を入れなおして歩き出した。

 少し歩いたところで、突然若いモロッコ人のお兄さんに声をかけられた。お兄さんはホテルを紹介してあげるという。外国に行くとよくあることなので、最初はやはりちょっと疑いの目でお兄さんを見た。しかしホテルを早く探して休みたいという思いもあったので、とりあえずホテルだけは見ようと思い、お兄さんについていくことにした。

 お兄さんはどこかのホテルの手先というわけではなく、私の希望に合うホテルにいくつか連れて行った。しかし、そのどれもが私の気に入らない(ホテルを探すのとか移動のこととか全ての手配は私で、相棒のMちゃんは私まかせであった)。もちろんホテルが清潔ではないとかあまりにもぼろいとかという理由のホテルもあったのだが(安宿希望のくせに贅沢な私)、どこもホットシャワーが出ないというのも気に入らなかったのだ。

 私はいつも外国でホテルを自分で探す時、ホットシャワーがちゃんと出るかどうかも重要な決め手となっていたのだ。その癖で、ついついモロッコでもその基準でホテルを選んでいた。ホットシャワーが出ないホテルイコール設備がイマイチなホテル、という図式が私の中に出来あがっていたのだ。

 くそ暑い中、何件もホテルを渡り歩き、あまりにもホットシャワーにこだわる私に、案内してくれたお兄さんも「なぜそんなにホットシャワーにこだわる?」と呆れ顔。「ここはこんなに暑いのに、そんなに熱いシャワーを浴びたいの?」と不思議がられた。

 あげくのはてに、最後に行ったホテルでは、私がホットシャワーが出ないなら嫌だというとフロントのおじさんに「ならけっこうだ!!」というふうに怒られてしまった。

 かなりの暑さの中、ホテルを何件も渡り歩き、しかも私の希望の部屋が見つからず、すっかり疲れ果ててしまった私たち。案内してくれているお兄さんもげっそりしているようだ。

 考えてみれば、タンジェの町を朝の8時頃出発し、出発の前にパンをちょっとしか食べてなく、お昼もまだ食べていないのだ。時はすでに16時をすぎ、フラフラなのは暑さのせいだけではなく空腹のためでもあったのだ。

 とりあえず近くのカフェに入り、腹ごしらえするとともに頭を冷やしてモロッコ人のお兄さんを交え、作戦会議を開くことにした(お兄さんはアディルさんというらしい)。お腹を満たし、少し休むとだいぶ頭の中が冷静になってきた。よくよく考えると、たしかにこのフェズのくそ熱い中、ホットシャワーを浴びる必要なんかないのかもしれない、とやっと私でも考えられるようになった。いや、むしろホットシャワーどころか水を浴びたいくらいの暑さだったのだ。お兄さんはやっと気づいてくれたかとホッとした様子。

 今までの日本での習慣、あるいは他の国々でホテルを探す時に基準(ホットシャワーが出ないホテルは設備が悪い)をどこにいっても当てはめればいいってもんじゃないってことがようやくわかってきた。自分はこれまで柔軟な考え方の持ち主だと思っていたのだが、意外に固定概念にかたまった石頭だったことがわかった私。まったくこれまで暑い中ホテル探しに付き合ってくれた相棒のMちゃん、それにモロッコ人のお兄さん、私に対応してくれたあちこちのホテルのスタッフの皆さん、私がバカでしたということがやっと理解できたのであった・・・

 こうして結局お兄さんのすすめで、一番最初のホテルに戻る私たち(結局このホテルが一番良かった)。フロントのお兄さんは、私の顔を見るなり怒っていたが(さっきホットシャワーが出ないということだけで私が気に入らないと断ったから)、ホテルを案内してくれていたモロッコ人のお兄さん・アディルさんの取り成しでどうにか機嫌を直してくれ、私たちを宿泊させてくれた。今回のホテル探しで外国では臨機応変に考え対応するという大切なことを学び、一つ大人になった私であった(当たり前か)。

 さて、このホテル探しを通して、案内してくれたアディルさんというお兄さんもどうやらただの親切でお節介なモロッコ人だということもわかった。よくもまあこんな暑い中長時間私のホテル探しに付き合ってくれたもんだ。アディルさんは、若くて(おそらく20歳そこそこだろう)ちょっとおしゃれでとんだ感じのお兄さんだった。それもそのはず、なんと職業はDJだという。ノリも良くて話していてとても楽しい人だった。

 私はその当時、リッキー・マーティンにはまっていたのでその話で盛り上がった。やっぱりモロッコでもリッキーは人気があるらしい。アディルさんはノリノリでリッキーの歌なんて歌ってくれた♪

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南欧・モロッコ旅行記・はじめに
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旅の終わり 

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