たび猫の南欧・モロッコ旅行記

南欧・モロッコ旅行記13日目

南欧・モロッコ旅行記13日目:グラナダへ向けて出発

 今日はグラナダという町まで移動する予定だったので、早々にチェックアウトしようと思っていたのだが、部屋で休んでいたMちゃんはまだかなり疲れている様子だった。というか体調があまり良くなさそうだった。モロッコでの私に引き続き、次はMちゃんか?と思い焦ったが、私のようにめちゃめちゃ体調を壊しているわけではなく、とにかく疲れているらしい。

 無理もない。Mちゃんにとってはこんなきつい旅行のしかた自体がたぶんカルチャーショックだったのだと思う。普段はかなり高くてリッチなツアー旅行ばかりしていたMちゃんで、こういう旅の方法があること自体知らなかったのだ。

 旅行に行く前、そのことに不安があった私は、Mちゃんに説明をしたつもりであったが、きっと想像すらできなかったのだろう。軽い気持ちできたら、えらい目に遭ってしまったというのが、この時の正直なMちゃんの思いだと思う。だからといって、この場からすぐに飛行機に乗って日本に帰れるわけではない。少なくともマドリッドまでは行かなくては日本に帰れないので、もうちょっとがんばってもらうしかない。

 すぐにでも出発しようと思っていたが、それではあまりにもMちゃんが気の毒なので、もうちょっと部屋で休むことにした。Mちゃん自身はこんなことになり、気持ちが落ち込んでいるようであった。

 お昼頃、もう出発できるというので二人で駅に向かった。しかし、駅へ行く途中もMちゃんは精神的に落ち込んでいた。こんな調子でグラナダまで行けるか心配になるほどであった。

 ロンダからグラナダへは、電車で3時間くらいかかる。今日もまた移動だ。アルヘシラスからマドリッドまでは、観光しながら移動しているといった感じで、毎日移動しているようなものだ。もっと本当はゆっくりできればいいのだろうが、マドリッドから日本へ帰る日付は決まっているので、それほどゆっくりできない。約20日間の旅行だったが、3カ国まわるとなると、やはりこれでは短いなというのが実感だ。ゆっくり旅行したい人は、20日間かけて1つの国をあちこちまわるほうが体力的にもきつくないだろう。

 そんなわけで、グラナダへの電車の切符を買い、駅で次の電車をしばらく待つことにした。Mちゃんは相変わらず元気がない。精神的にも落ち込んでいる。グラナダ行きの切符を買ったことを今更ながら後悔した私であった。

 そんな時、この駅でもまたモロッコに行く時出合った例の日本人カップルに遭遇!!まったく良く会う二人であった。彼らも同じ電車でやはりグラナダを目指しているのだという。同じ様な旅行をしているので、たどる道はけっこう似ているものなのかもしれない。ここでまた4人でおしゃべりをし、Mちゃんも気が晴れたのかちょっとだけ調子が上向きになり、ホッとする私であった。

 そして13時49分の電車で、ロンダを出発!4人でグラナダを目指すことにした。外国の交通機関に乗るとだいたいそうなのだが、心配性の私は、本当にこの乗り物が目的地へ着くのか心配になる。この時もこの電車で良かったのかずっと不安だったので、電車に乗ってからも眠ることなく、途中で通る駅名と電車の路線図をチェックしながら、自分がちゃんとグラナダへ向かっているのかチェックするのであった(無駄な努力)。

 そして予定通りの約3時間くらいで、無事グラナダへ到着。ここで日本人カップルとは今度こそお別れ。グラナダはロンダなどにくらべればけっこう大きな町なので、もう会うことはないだろう。モロッコからの中々の縁の深さであった。お互い良い旅が続けられるよう祈った。

 さて、グラナダへ着いて私がまずしたことは、明日はもうマドリッドへ行こうと思っていたので、マドリッド行きの電車の時刻を調べることだった。駅でマドリッド行きの時刻表を調べてみたら、あまりちょうど良い時間の電車がなかった。それだったら、グラナダからマドリッドへは長距離バスも走っているので、バスを使うことにして駅をあとにした。

 そして次はホテル探しである。こうしてみると、たしかに個人旅行というのは大変だ。特にこういう移動の多い旅だと、新しい町に着くとやるべきことがたくさんあって、しかも言葉の壁もあるし、重い荷物を持ったまま歩き回るなど、普段日本にいたらしなくてもいい苦労ばかりだ。Mちゃんはきっとこういうところにも嫌気がさしていたのだろう。

 なにしろ、ツアーだったら全部もう決まっていることだし、面倒なことはみんな添乗員さんとかがやってくれるだろうから。考えてみれば、至れり尽せりだ(その分料金に加算されているんだろうけど)。

 でも、どんなに苦労をしようと体力を消耗しようと、今でもやはり個人旅行を選んでしまう私。何しろこういう苦労をすると、頭の中に町の様子がよーく残るし、それ自体を楽しんでいる自分がいるのだ。どんなに効率が悪かろうと、時間がかかろうと、もうしばらくは(体力の続く限りは)きっとこのスタイルで旅行するのだろうなって思う。

 まぁ、でも本当に人間というのは人それぞれだと思うので(今回の旅では特に実感した)、私の旅のスタイルが全ての人にあてはまるとは思えない。旅に限らず人生の全てに言えることだが、人には向き不向きというものもあるし、価値観の相違というものもあるのだ。何に重きを置くのかは、当然人によって違ってくる。

 だから旅行においても、自分が何を優先するのか、どういう旅をしたいのかを決めてそれに合った旅をしないと、ものすごーく辛いものになってしまう。個人旅行とツアー旅行、どちらがいい旅行かなんていう答えはないのである。人によって違うので、その辺を間違えると、お金を払って辛い思いをするなんてことになってしまうので気をつけないといけないなって思った。今回の旅の反省であった。

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南欧・モロッコ旅行記・はじめに
登場人物紹介  今回の旅行のルート

南欧・モロッコ旅行記1日目
アエロフロートでモスクワへ  アエロフロートの達人あらわれる 

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南欧・モロッコ旅行記12日目
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南欧・モロッコ旅行記13日目
ヌエボ橋  グラナダへ向けて出発  グラナダの町 

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南欧・モロッコ旅行記15日目
古都トレドへ行く  エル・グレコの家  トレドの町でお土産探し  本場のフラメンコショー初体験♪ 

南欧・モロッコ旅行記16日目
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南欧・モロッコ旅行記17・18日目
旅の終わり 

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