ギリシャのクレタ島出身の有名なエル・グレコという画家がいる。彼は後半生をこのトレドで過ごしており、その住居跡が観光用に美術館として残っているのだ。
世界史を本気になって勉強していた高校生の頃、世界の美術にも興味をもっていた。その頃エル・グレコのことを知り、エル・グレコのちょっと変わった画風が好きなこともあり、どうしてもこのエル・グレコの家と美術館には行ってみたかったので、まずはそこを目指すことにした。
地図を見ながらエル・グレコの家を目指したが、なかなかたどり着かない。さすが迷路のような古都、複雑な町並みのようだ。暑さがなければ、このように町をあちこちさまようのも楽しかったかもしれない。が、真夏の散策にはちょっときつかった。
やっと見つけた〜と思って入ったところは、エル・グレコの家ではなく、“サント・トメ教会”という有名な教会だった。間違えて入ったものの、ここにはエル・グレコの作の中で最高傑作だという『オルガス伯の埋葬』という絵が展示されており、運良くその絵を見ることができた。
その後、この教会の近くをウロウロしていたら、エル・グレコの家はこの教会からなかなか近かったらしく、やっとエル・グレコの家を見つけ、たどり着くことができた。
こうして自分があのエル・グレコが生活していた空間にいるかと思うと、感慨深いものがあった。高校生の頃、河合塾の夏期講習で、とても有名な世界史の先生の授業をとっていた。その先生の話は本当に面白く、感受性豊かだった高校生のあの頃、この先生から受けた影響力ははかりしれなかった。もともと好きだった世界史がもっと好きになり、そして世界や世界の文学・美術などにもどんどん興味を持っていった。
今思えば、世界中を旅してみたいという思いも、この頃強く育まれたのかもしれない。先生が授業中見せてくれた海外旅行のスライドを見て、私もいつか世界のあちこちを見てみたいとため息をつきながら見たのを覚えている。
エル・グレコの話もこの先生から聞いた。“エル・グレコ”というのは“ザ・ギリシャ人”という意味だというのを教えてくれたのも先生だ。いくらギリシャ出身だからといってもすごい名前をつけたもんだと、強烈に思ったのを覚えている。
エル・グレコの家に来て、高校生の頃わくわくしながら世界史を学んだこと、そしてあの頃憧れた世界を旅するということを今自分が少しずつ叶えていること、初めてエル・グレコのことを知った時のことなど色々なことをここで考え、感傷にふけっていたのかもしれない。
こうしてトレドでの一番の目的を果たしたような気がして、少し休むことにした。エル・グレコの家から町のはずれであるタホ川へすぐに出られたので、そこへ行って休むことにした。そこには公園があり、そこからタホ川を眺め、自分が自由に旅をしていることを心ゆくまで満喫した。
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